寄附行為

1.財団法人 教育調査研究所 設立趣意書

(昭和45年11月1日)

 経済の高度成長と所得水準の向上に伴い、「教育」に対する要請は、社会的にも個人的にも著しく増大している。そしてこのような要請に即応するためには、「教育」は、従来のように学校教育の範囲に限定されることなく、「生涯教育」という幅広い視野に立って展開されるべきことが強調されている。

 このような情勢下において、現行の教育システムはさまざまな矛盾や混乱を露呈しているのが実態であるといえよう。

 もちろん、このような実態に対処するために、国および地方公共団体においては、それぞれ必要な調査研究を進め、これを基礎に有効適切な諸施策を講じつつあり、また民間教育団体においてもそれぞれの立場から教育調査研究に関する事業を行ない、成果を収めているところである。

 教育調査研究所は、昭和34年以降、教育出版株式会社の附属機関として「全国教育研究所連盟」にも加盟して、教育の調査研究を行なってきたが、最近のわが国教育における課題解決の緊要性にかんがみ、ここに「財団法人教育調査研究所」として再出発し、その研究規模の拡充と成果の向上を期し、もってわが国教育及び学術の進歩に寄与しようとするものである。

 すなわち、その調査研究に関する体制全般を強化し、上述の国、地方公共団体および民間教育団体を通ずるわが国の教育調査研究推進のための一翼を担おうとするものである。

 

2.財団法人 教育調査研究所 寄附行為

第1章 総則

(名称)

第1条 この法人は、財団法人教育調査研究所という。

(事務所)

第2条 この法人は、事務所を東京都千代田区神田神保町2丁目10番地におく。

第2章 目的および事業

(目的)

第3条 この法人は、わが国における教育に関する研究調査の推進に資することを基本とし、教育の内容および方法に関する科学的な調査研究を行ないその成果の普及を図り、もってわが国教育および学術の進歩に寄与することを目的とする。

(事業)

第4条 この法人は、前条の目的を達成するために次の事業を行なう。

(1) 教育の内容および方法に関する一般的調査研究
(2) 教育評価に関する理論的実践的研究
(3) 教材一般の質的向上に関する調査研究
(4) 教育のシステム化および教育機器の利用に関する研究開発
(5) 前各号に掲げる研究に関する成果の発表およびその普及
(6) その他前条の目的を達成するために必要な事業

第3章 資産および会計

(資産の構成)

第5条 この法人の資産は、次のとおりとする。

(1) 設立当初の財産目録に記載された財産
(2) 財産から生じる収入
(3) 事業に伴う収入
(4) 寄付金品
(5) その他の収入

(資産の種別)

第6条 この法人の資産を分けて、基本財産と運用財産の2種とする。

 2 基本財産は、次に掲げるものをもって構成する。

(1) 設立当初の財産目録中基本財産の部に記載された財産
(2) 基本財産とすることを指定して寄附された財産
(3) 理事会で基本財産に繰り入れることを議決した財産

 3 運用財産は、基本財産以外の資産とする。

(資産の管理)

第7条 この法人の資産は、理事長が管理し、基本財産のうち現金は、理事会の議決を経て定期預金とする等確実な方法により、理事長が保管する。

(基本財産の処分の制限)

第8条 基本財産は、譲渡し、交換し、担保に供し、または運用財産に繰り入れてはならない。ただし、この法人の事業遂行上やむを得ない理由があるときは、理事会の議決を経、かつ、文部科学大臣の承認を受けて、その一部に限りこれらの処分をすることができる。

(経費の支弁)

第9条 この法人の事業遂行に要する経費は、資産から生ずる果実、および事業収入、寄附金等の運用財産をもって支弁する。

(事業計画および収支予算)

第10条 この法人の事業計画およびこれに伴う収支予算は、理事長が編成し、理事会の議決を経て、毎会計年度開始前に文部科学大臣に届け出なければならない。事業計画および収支予算を変更しようとする場合も同様とする。

(収支決算)

第11条 この法人の収支決算は、理事長が作成し、財産目録、事業報告書および財産増減事由書とともに、監事の意見をつけ、理事会の承認を受けて毎会計年度終了後二月以内に文部科学大臣に報告しなければならない。

 2 この法人の収支決算に剰余金があるときは、理事会の議決を経て、その一部もしくは全部を基本財産に編入し、または翌年度に繰り越すものとする。

(長期借入金)

第12条 この法人が借入金をしようとするときは、その会計年度の収入をもって償還する短期借入金を除き、理事会の議決を経、かつ文部科学大臣の承認を受 けなければならない。

(新たな義務の負担等)

第13条 第8条ただし書きおよび前条の規程に該当する場合ならびに収支予算で定めるものを除くほか、新たな義務の負担または権利の放棄のうち重要なものを行なおうとするときは、理事会の議決を経なければならない。

(会計年度)

第14条 この法人の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。

第4章 役員、評議員および職員

(役員)

第15条 この法人には、次の役員をおく。

(1) 理事8名以上13名以内(うち、理事長1名および常務理事3名以内)
(2) 監事 2名または3名

(役員の選任)

第16条 理事および監事は、評議員会で選任し、理事は互選で理事長および常務理事を定める。

(理事の職務)

第17条 理事長は、この法人の業務を総理し、この法人を代表する。

 2 理事長に事故あるとき、または欠けたときは、理事長があらかじめ指名した順序により常務理事がその職務を代理し、またはその職務を行なう。

 3 常務理事は、理事長を補佐し、理事会の議決に基づき、日常の事務に従事する。

 4 理事は、理事会を組織して、この法人の業務を議決し、執行する。

(監事の職務)

第18条 監事は、この法人の業務および財産に関し、次の各号に規定する業務を行なう。

(1) 法人の財産の状況を監査すること。
(2) 理事の業務執行の状況を監査すること。
(3) 財産の状況または業務の執行について不正の事実を発見したときは、これを理事会、評議員会または文部科学大臣に報告すること。
(4) 前号の報告をするため必要があるときは、理事会または評議員会を招集すること。

(役員の任期)

第19条 この法人の役員の任期は3年とし、再任を妨げない。

 2 補欠または増員によって選任された役員の任期は、前任者または現任者の残任期間とする。

 3 役員は、その任期満了後でも後任者の就任するまでは、なおその職務を行なう。

(役員の解任)

第20条 役員は特別の事情のある場合には、その任期中であっても、評議員会および理事会の議決により、これを解任することができる。

(役員の報酬)

第21条 役員は有給とすることができる。

第22条 この法人に評議員30名以上35名以内をおく。

 2 評議員は、理事会で選出し、理事長が任命する。

 3 評議員には第19条および第20条の規定を準用する。この場合には、同条の規定中「役員」とあるのは、「評議員」と読み替えるものとする。

(評議員の職務)

第23条 評議員は、評議員会を構成し、この寄付行為に定める事項を行なうほか、理事会の諮問に応じ、理事長に対し必要と認める事項について助言する。

(職員)

第24条 この法人の業務を処理するため、必要な職員をおく。

 2 職員は、理事長が任命する。

 3 職員は、有給とする。

第5章 顧問および参与

(顧問および参与)

第25条 この法人には、顧問および参与若干名をおくことができる。

 2 顧問および参与は、学識経験者のうちから、理事長が理事会の承認を得てこれを委嘱する。

 3 顧問は、この法人の事業の重要事項について、理事長の諮問に応ずる。

 4 参与は、この法人の事業の研究、調査および開発に協力する。

第6章 会議

(理事会の招集等)

第26条 理事会は、毎年2回理事長が招集する。ただし、理事長が必要と認めた場合、または理事現在数の3分の1以上から会議の目的事項を示して請求のあったときは、その請求のあった日から20日以内に臨時理事会を招集しなければならない。

 2 理事会の議長は、理事長とする。

(理事会の定足数および表決)

第27条 理事会は、理事現在数の3分の2以上の者が出席しなければその議事を開き議決することができない。ただし、当該議事につき書面をもってあらかじめ意思を表示したものは、出席者とみなす。

 2 理事会の議事は、この寄附行為に別段の定めがある場合を除くほか、出席理事の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第7章 賛助会員

(賛助会員)

第28条 この法人に賛助会員をおく。

 2 賛助会員は、法人および個人とする。

 3 賛助会員は、この法人の目的に賛同し、所定の会費を納入するものとする。

 4 その他賛助会員に関し必要な事項は、理事会の議決を経て理事長が定める。

(評議員会)

第29条 次に掲げる事項については、理事会においてあらかじめ評議員会の意見を聞かなければならない。

(1) 事業計画および収支予算についての事項
(2) 事業報告および収支決算についての事項
(3) 基本財産についての事項
(4) 長期借入金についての事項
(5) その他この法人の業務に関する重要事項で理事会において必要と認めるもの

 2 第26条および第27条の規定は、評議員会についてこれを準用する。この場合において同条中「理事会」および「理事」とあるのは、それぞれ「評議員会」および「評議員」と読み替えるものとする。

(議事録)

第30条 すべての会議には、議事録を作成し、議長および出席者の代表2名以上が署名押印のうえ、これを保存する。

第8章 寄附行為の変更および解散

(寄附行為の変更)

第31条 寄附行為は、理事現在数および評議員現在数おのおの3分の2以上の議決を経、かつ文部科学大臣の認可を受けなければ変更できない。

(解散)

第32条 この法人の解散は、理事現在数および評議員現在数おのおの4分の3以上の議決を経、かつ文部科学大臣の認可を受けなければならない。

(残余財産の処分)

第33条 この法人の解散に伴う残余財産は、理事現在数および評議員現在数おのおの4分の3以上の議決を経、かつ文部科学大臣の許可を受けて、この法人の目的に類似の目的を有する公益法人に寄附するものとする。

第9章 補則

(書類および帳簿の備付等)

第34条 この法人の事務所に、次の書類および帳簿を備えなければならない。ただし他の法令により、これらに代わる書類および帳簿を備えたときは、この限りでない。

(1) 寄附行為
(2) 役員、評議員およびその他の職員の名簿および履歴書
(3) 財産目録
(4) 資産台帳および負債台帳
(5) 収入支出に関する帳簿および証拠書類
(6) 理事会および評議員会の議事に関する書類
(7) 庶務日誌
(8) 官公署往復書類
(9) その他必要な書類および帳簿

 2 前項の書類および帳簿は永久保存としなければならない。ただし、前項第5号の帳簿および書類は10年以上、同項第7号から第9号の書類および帳簿は、1年以上保存しなければならない。

(細則)

第35条 この寄附行為施行についての細則は、理事会の議決を経て別に定める。

3.財団法人 教育調査研究所賛助会員に関する規則

(目的)

第1条 この規則は、財団法人教育調査研究所(以下法人という)の賛助会員に関し必要な事項を定めるものとする。

(資格)

第2条 本法人の設立目的とその事業に深い理解を有し、これに協力する個人又は法人等であって、継続して会費年額1口1万円以上を支払うものを賛助会員とする。

(報告)

第3条 理事長は、賛助会員に対し、毎会計年度の始めに、旧年度の事業の遂行に関し、文書を以て、報告しなければならない。

<財団法人 教育調査研究所『寄附行為』第7章第28条参照>

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