Vol3:対面とオンライン(2020.10.22)

対面授業とオンライン授業の融合

 これまでは、「教師説明型授業(教え込み受業)」と、「問題(課題)解決・体験活動を重視した授業」と、子供が「主体的・対話的で深く学ぶ授業(子供が学び教師が支援する授業)」とが併存していました。
 ところが、ICTの活用ということで、タブレットを使うのでノートに手書きすることを省略する学習活動、動画で簡潔に視聴させて実験・観察を省略する理科授業などが行われている例が見られます。また、新型コロナウイルスの感染防止に伴いオンライン授業も開発され、多くの学校で実施している実態もあります。さらに、AI(人工知能)搭載ロボットの採用によって、人間に代わって様々な事柄を処理・対応している状況があります。
 このようなことから、知識・技能の指導はAIロボットに任せ、「教師は道徳と生活指導だけ担当すればよい」という自称専門家の過激な意見も公表されています。
 そこで、学校(教師)はもちろんこと行政も、次のようなことについて改めて考え、確認してみる必要がありそうです。

★1学校教育の目標
★2教育課程(教科領域、目標、指導内容)
★3授業の在り方(展開、指導方法、対面授業、オンライン授業)
★4教員の役割、職員の役割
★5ICTやAI搭載ロボットなどを活用した教育活動の在り方
★6地域の人的・物的資源の活用
★7その他

 難しいことは、文部科学省や教育委員会にお願いすることにして、ここでは、★3・4・5について素人の思い付きを述べます。
<授業の在り方>
新型コロナウイルスに関連して、オンライン授業(遠隔授業)が開発され、休校中の子供の学習活動に大きな効果を発揮しました。また、学習内容に対応した動画を作成して学習意欲の喚起と理解を支援しました。
このことから今後、オンライン授業など授業(学習活動)の進め方を一層進化させることが必要となります。
ただし、このことをもって、子供と教師が対面して授業(学習活動)を進めていくことを否定するものではありません。
子供と教師が直接関わり合いながら、問題解決学習や体験活動を通して、理解し、できるようになり、考えて、「知識・技能」の習得、「思考力・判断力・表現力」の育成、「主体的に学習に取り組む態度」の涵養を実現していくことが重要です。
そこで、対面授業とオンライン授業を融合し、適切に組み合わせる発想が必要となります。校内の対面授業のベテラン教員と、ICTの堪能な若手・中堅教員の協働による授業改革を期待するところです。
<教員の役割>
確かに、「知識・技能」の習得だけならば、教員の役割は縮小されるということが言われても反論しにくいと思います。
しかし、「主体的・対話的で深い学び」を通して、「思考力・判断力・表現力」を育成し、今後の自分らしい生き方に向かって「主体的に学習に取り組む態度」を涵養するためには、人間教師の指導・支援によることなくしては不可能です。
<ICTやAI搭載ロボットなどの活用>
必要なところにICTやAI搭載ロボットなどを活用していくことに異論はありません。しかし、子供は感情を持った人間であり、一定の行動様式(アルゴリズム)を形式的に習得させればよいというものではないということを強く認識しなければならなりません。
言うまでもないことですが、人間教師を支え、子供(人間)をよりよく成長させるため適切に活用しなければならないということです。

(三宅 宏)

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