Vol.22:小・中学校の教育実践から学ぶ

小・中学校の教育実践から学ぶ


 都内では、4度目の緊急事態宣言が発出され都民にはさらに自己防衛力が求められ、新たな生活様式の継続性が不可欠となっていた。
 そんな中、アメリカ版映画「ゴジラ対コング」を鑑賞した。世代だろうか、年齢の上の方が少なくない。敵対する対決に釘づけだが、最後は力を合わせて「メカゴジラ」を倒す、人間の味方「ゴジラとコング」を改めて楽しめる、ストレス解消には絶好の映画であった。

 今回は、私が指導している小・中学校の研究発表会の予定を紹介しよう。


●東京都江戸川区立第四葛西小学校(校長 永浜幹朗)
 研究発表会 令和4年2月24日(木)13:00~
 研究主題『小学校における教科担任制の導入と効果的運用―多面的な児童理解と教員の指導力向上を目指して―』をテーマとしている。23学級の大規模校であり、新年度4月から、第3学年からの教科担任制を実施している。学年ごとに教科担任制の実施教科も違い、教師の持ち味を生かし、若手教員を巻き込んで推進している。

 教科担任制の四つの役割である、「学力向上」「複眼的評価による児童理解の高まり」「中1ギャップの克服」「働き方改革」に、日々の実践から軌道修正と調整をしながら、課題を克服する姿がある。

 過日の研究会では、2年目の教員が必死に取り組んでいた。私は、四つの果たすべき役割の意義づけと授業改善の方向性を強調した。教科担任制の理解が図れない学校が全国的に多い中、教室を参観させてもらうだけでもその成果が見える。


●和歌山県白浜町立富田中学校(校長 木村慶)
 研究発表会 令和3年11月19日(金)13:15~
 研究主題『生徒の資質・能力を育成するための教員の資質・能力の組織的向上―2030年を見通した学校創り、若手教員の育成支援に関する研究―』をテーマとしている。各学年3学級で、学校全体で先を見据えた取組を実施している学校である。

 特徴的なことは、
①オープンセミナーとして近隣の小・中学校に常に公開している。
②板書型指導案で教科の壁を越えて教員相互の指導力向上の寄与ができる(いつでも、どこでも,誰でも授業公開が可能)。
③若手教員の主体的取り組みが活発であり、次代のリーダー育成になっている。
④研究主任、生徒指導主任など若手が活躍できる素地がつくられている。
⑤時間外では教員採用試験対策講座も開催している。

 発表会当日は,特別支援学級ならびに国語科、社会科、理科、数学科、英語科、美術科、保健体育科の公開授業が予定されている。


 両校とも特筆すべきことは、管理職のマネジメント力不足が指摘されている中、学校経営力を発揮し、若手教員が輝き、それをベテラン教員が支援していく風土があることだ。

 感染症と向き合いながら、「学びを止めない」のあるべき姿の象徴として、学校が機能して児童・生徒の学ぶ力をつけていく実践である。

                                                    【明海大学客員教授 釼持 勉】

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