Vol.13:私の気になる1冊(3)

私の気になる1冊(3)

 今回は、「あれ!」と思うような特色ある本を3冊紹介します。

 ◆樋口修資著

 『試験によく出る教育キーワード90 ―275のチェック問題で法規の知識が定着する!』

  本書は、校長・教頭を目ざす教師、教育活動等の法的根拠を学ぶ必要のあるミドルリーダーおよび教職員のために著したものである。
 内容は、教育制度、教職員、教育活動、学校組織、保健安全、勤務条件、服務、研修に関する8章で構成されている。そばに六法全書を置き、憲法を加えると万全である。
 まず「条文」を読む、次に「解説」を読んで内容を理解する、最後に「問題」を解いて理解度を確認する、という3ステップ方式で確実に学べるように工夫されている。
 管理職受験にこだわることなく、「教師は法律に弱い」と揶揄されないためにも、職員室の教師用の書棚において、一般の教師にも目を通してもらいたい基本の1冊である。
 また、研修会や教職志望の学生のテキストにも活用できる。
                                A5判 定価2200円(税込) 教育開発研究所


 ◆氏田雄介編著『54字の百物語』


 本書は、9字×6行=54字の怪談物語を収録したものである。
 54字きっかりで物語が書けるのかと、疑いながらページをめくっていった。
 54字の物語を読む。あれこれ考えさせられる。怖さの意味がすぐわかるものと、「うっ?」となってしまうものが混在している。
 でも、次のページの短い解説を読むと、「な~んだ、そういうことか!」と納得できるようになっている。
 54字の物語と、200字前後の解説で、隙間の時間で楽しむことができる。
 これなら「自分だって!!」と、創作意欲をかき立てられる不思議な1冊である。
                          四六判 定価1210円(税込) PHP研究所

 

 ◆漢字塾太郎著・宮島弘道絵 『マンガだけど本格派 小・中学生用 新漢字のおぼえ方』


 パソコンやスマホを使うようになって、今まで書けていた漢字が、「あれ!どう書いたかいな?」と、思い出せないことが多くなった。
 子どもの場合は、幼少の時からパソコンやスマホをいじっているので、漢字を覚えること自体ができていないようである。
 そこで、教師経験のある塾講師の著者が、宮島さんの漫画を使って、小・中学生(小学校高学年以上)向けに漢字の覚え方を解説したものである。
 内容は、しっかりしたもので、解説も充実しているので、教師や保護者向けの教養書といっても遜色はない。
 学校図書館、学級文庫にあってもいい1冊である。パート2もある。
                            A5判 定価1620円(税込) 太陽出版

                        一般財団法人教育調査研究所研究部長 小島 宏

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