理事長挨拶 天笠茂
一般財団法人 教育調査研究所は、教育出版株式会社の付属機関としての前史を経て、1970(昭和45)年10月、文部省学術国際局管下の学術研究法人として、1972年(昭和47)年、独立の研究調査機関として設立されました。さらに、2012(平成24)年からは、内閣府管下学術研究法人、一般財団法人として現在に至っています。
当研究所の主な事業であります機関誌『教育展望』の創刊は、1955(昭和30)年1月です。また、「教育展望セミナー」は1971(昭和46)年8月に第一回を開催し、回を重ねて現在に至っております。重ねて、『研究紀要』の発刊も100号を超え、「教育展望セミナー」に際して刊行される臨時増刊号も55号を、さらに、北海道での教育展望札幌セミナーの開催に際してまとめられる集録も30号に迫ろうとしております。
これら、一冊一冊の刊行を通して、また、一回一回の開催を通して、その時々の最新の教育情報の発信を図り、教育に関わる研究と実践の発展に貢献してまいりました。今日においては、北海道から沖縄まで各地でセミナーを開催するなど、教育の研究と実践に携わる多くの関係者から高い評価を得ております。教育、とりわけ教育実践に寄与する調査研究の充実と発展は、昭和・平成・令和の時代を通して一貫して当研究所がめざす基本姿勢であります。
しかし、これまでの実績に甘んずることなく、常に時代の変化と課題に向き合い、先端を切り拓く役割を果たしていきたいと考えております。折しも、国際環境の変化、突発的な自然災害など、劇的にしかも非連続的に社会が変わる予測困難な時代にあります。このような時代にあって、調査研究の充実と向上によって、教育、とりわけ教育実践に携わる関係者に貢献する的確な情報を発信していくことが当研究所の社会的な使命と考えております。
私は2024(令和6)年6月より、新井郁男前理事長の後任として務めることになりました。歴代の理事長(初代細谷俊夫、第2代奥田真丈)のもとに築かれた実績と伝統を引き継ぎつつ、さらなる発展を期す所存でおります。ご指導ご支援を賜りますことを心からお願い申し上げます。
なお、当研究所の活動は、丑山修常務理事を中心に事務局が携わっております。当研究所の活動について、ご意見・ご要望などがございましたら、忌憚なくお寄せいただければ幸いです。